思い出の「若冲誕生」(福田美術館)その1

思い出の「若冲誕生」(福田美術館)その1

本編は、思い出の「若冲誕生」の展示。
京都・嵐山・福田美術館。
令和2年3月20日(金)から7月26日(日)に展示されたものの掲載です。
(写真撮影・可のものより)

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● キャプション・1[初公開]
蕪に双鶏図  伊藤若冲
 (所蔵・福田美術館)
蕪畑(*かぶばたけ)のなかに番(つがい)の鶏を描いた作品。
雄鶏は、首、胸、尾と横に長く描かれ、雌鶏は、画面下に生える蕪の葉の後で蹲(うずくま)っています。
制作直は最初期の30代初めの作品と考えられます。
図録の説明文では、
・・画面中央の雄鶏は頸を下に向けているため、頭部が上下反対に描かれている。・・・
    と、説明される。

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拡大図
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拡大図
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● キャプション・2
雪梅雄鶏図  伊藤若冲
(参考・図録の一部より)
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● キャプション・3
花卉双鶏図  伊藤若冲
画面の殆どを埋め尽くす咲き誇った海棠(かいどう)と木蓮(もくれん)に囲まれるように、番の鶏が向き合っています。
画面構成や色彩は、当時大流行していた沈南蘋(しんなんぴん)の画風を受け継いだ南蘋(なんぴんは)の作品からの影響が認められます。
  *2016年10月~12月 若冲の京都(京都市美術館)でも展示されたものです。
一部、乱反射があります。
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● キャプション・4
松に鸚鵡図  伊藤若冲
(個人蔵)
画面左下から上へ伸びた一本の松の枝に、全身が白い鸚鵡(おうむ)が一羽止まって
います。
薄くぬられた胡粉(ごふん)の上から極細の線を重ね、柔らかな羽毛の感触を出そうとしています。
*2016年10月~12月若冲の京都(京都市美術館)でも展示されたものです。

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拡大図
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● キャプション・5
四季花鳥押絵貼図屏風 伊藤若冲
(個人蔵)  制作年・宝暦10年(1760年)
墨だけで描かれた花鳥図12枚が貼られた屏風。
若冲の描いた押絵屏風風邪は複数確認されていますが、濃淡の墨を使い分けて、同勅物の質感を見事に表現しています。
若冲45歳の作品です。

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● キャプション・6[初公開]
柳に鴉図 伊藤若冲
左下から突き出た一羽の鳥が片足で止まり、上から柳の枝が垂れ下がっています。
菱形をした鴉(からす)の同隊の中央にある淡い墨は、水墨画で描いた若冲の鳥お特徴の
ひとつです。

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● キャプション・7[初公開]
梅に鶯図    
*展示終了のため、撮影出来ず。
画像は、展示パンフ
24・2020-0621撮影・パンフIMG_0002 ●(960x1280).jpg



● キャプション・8
玉蜀黍図  伊藤若冲 千代女 賛
真っ黒な墨で描いた玉蜀黍(とうもろこし)の葉がうねるように伸び、先端は隅の擦れによる躍動感があります。
濃淡を変化させて葉の質感を表現しています。
加賀国出身の俳人、千代女(ちよじょ)(1730~1775)の発句
「見送りにに眼のはされぬ花野かな」が書かれています。

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● キャプション・9
竹図  伊藤若冲  梅荘顕常 賛    
*展示終了のため、撮影出来ず。

● キャプション・10
竹に雄鶏図  伊藤若冲    
*展示終了のため、撮影出来ず。



● キャプション・11
花卉(かき)・箒(ほうき)に鶏図
(個人蔵) 伊藤若冲
右幅の雄鶏は、輪郭線だけで描いた頭部のまわりに広げた頸の羽を描き、その上に色調を変化させた羽を加えています。
一方、左幅では釣瓶(つるべ)に入れられた大きな芙蓉(ふよう)の外側の花びらと、まだ開ききっていない中央の花びらを筋目描きで表しています。

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● キャプション・12
柳に鶏図
伊藤若冲
正面を向いた雄鶏が片脚で立ち、しなやかな柳の枝葉が垂れ下がっています。
この図には月は描かれていませんが、薄い墨を刷いた背景と墨色を変化させた柳によって、葉の間から漏れる月を表現しています。

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● キャプション・13
雨桶に雄鶏図[初公開]
伊藤若冲
個人蔵
1羽の雄鶏が絶妙なバランスで雨桶の上に片脚で立ち頭を右に向けて下を向いています。
雄鶏は尾羽だけ筋目描きを用いるなど羽の模様に変化を付けています。

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部分画像(乱反射あります)
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● キャプション・14
牡丹図[初公開]
伊藤若冲
個人蔵
*展示終了のため、撮影出来ず。

● キャプション・15
牡丹図[初公開]
伊藤若冲
個人蔵
*展示終了のため、撮影出来ず。

● キャプション・16
菊図
伊藤若冲
個人蔵
*展示終了のため、撮影出来ず。



● キャプション・17
馬図[初公開]
伊藤若冲  
無染浄善(むせん じょうぜん)賛
後ろ脚で踏ん張って前脚を上げる馬を左後方という珍しい視点から描いています。
目の下に加えられた墨天が口を表していると思われますが、笑っているように見えます。

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部分画像(乱反射あります)
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● キャプション・18
橋図[初公開]
伊藤若冲 
個人蔵 
無染浄善(むせん じょうぜん)賛
*展示終了のため、撮影出来ず。



● キャプション・19
橋図
伊藤若冲
個人蔵
三野 喜敏 賛
制作天明5年(1785)賛
*展示終了のため、撮影出来ず。

● キャプション・20
山水図
伊藤若冲
個人蔵
*展示終了のため、撮影出来ず。



● キャプション・21
寒山捨得図
伊藤若冲
天台山 国清寺(こくせいじ)の豊干禅師(ぶかんぜんじ)の弟子で、奇行で知られていた
寒山(かんざん)・捨得(じゅとく)を描いた作品。
右幅が捨得、左幅が寒山と思われます。
大胆な筆遣いで衣を袋状に描く表現は、中国南宋の梁楷(りょうかい)や桃山時代の画家・海北友松(かいほく ゆうしょう)(1533~1615)から学んだと思われます。

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● キャプション・22
寒山捨得図
伊藤若冲
個人蔵
智暉 大幻 賛
*展示終了のため、撮影出来ず。



● キャプション・23[初公開]
雲竜図
福田美術館
伊藤若冲
真っ黒な雲の中に真上を向く龍の頭が見え、大きな口、鼻、耳、角などが上下逆に描かれています。
滲みによって微妙に色を変化させることで雲の立体感と動きを増すよう工夫が凝らせれて
います。

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● キャプション・24[初公開]
鳳凰図
伊藤若冲
福田美術館
鳳凰(ほうおう)の頸(くび)がS字状に伸びており、礼儀正しく姿勢の良い姿にユーモアが感じられます。
頸や翼など全身の羽根は筋目描きによって重なりを表現しています。
中国明時代中期の画家・林 良(りん りょう)が描いた往々図を参考にして描いた作品です。

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● キャプション・25
布袋図
伊藤若冲
個人蔵
霞谷 賛
*展示終了のため、撮影出来ず。



● キャプション・26[初公開]
芦葉達磨図
伊藤若冲
福田美術館
大田 南畝(おおた なんぼ) 賛禅僧の開祖である達磨(だるま)が一本の葦(あし)に乗って揚子江(ようすこう)を渡ったという逸話を描いています。
衣の襞(ひだ)は「筋目描き(すじめがき)」で描かれており、墨の濃さ、水分の量などをコントロールにさければ描くことができません。

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● キャプション・27
髑髏図
伊藤若冲 京都・法蔵寺
高 遊外 賛
*展示終了のため、撮影出来ず。



● キャプション・28[初公開]
普賢菩薩像
制作 宝暦9年(1859)賛
伊藤若冲
個人蔵
無染 浄善(むせんじょうぜん)賛
脚を折り曲げて座っている白い象の上に、普賢菩薩(ふげん ぼさつ)が乗り、両手で巻物を広げています。
若冲が描いた普賢菩薩は、水墨画では他に確認されておらず、とても珍しい作品です。

(*文)
心伝云洞力生大因願海
云廣誓度迷津従他方
玉不雖佛身通身是限
覿□全真常在蛾眉銀
色界象王回処百花春
乙卯季夏
丹崖無染善 拝題


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● キャプション・29[初公開]
雲中阿弥陀如来像
伊藤若冲
福田美術館
真正面を向く阿弥陀如来(あみだ にょらい)が雲の中から上半身をみせます。
阿弥陀如来は袈裟(けさ)の下に両腕を通して両肩を覆う通方(つうけん)の姿で、親指と中指で牡丹の花を持っています。
若冲の描く珍しい仏画です。

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● キャプション・30
山水図扇面
伊藤若冲
個人蔵
梅荘 顕常 賛
*展示終了のため、撮影出来ず。


思い出の「若冲誕生」(福田美術館)その2  に続きます。




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