「ゴンクールの歌麿」を読んで観る 15・第20章

本篇は、ゴンクール著・歌麿(明治24年、出版)野口 米次郎 訳(昭和4年、刊行)の底本を、あくまで趣味的に、現代語訳で読み解くものです。
(図は全て底本・著作権満了のものより)


● 20章
歌麿は、日本において単に生活派の創始者としてのみでなく、また、単に鳥魚虫類の卓絶した模写人としてのみでなく、彼は春画の大家として賞賛されている。
春画は、日本における単に若返りの画を意味するばかりでなく、ヨーロッパにおいて我々が「軽い画」として取り扱っているものをも含んでいる。

私は1790年の日付のある珍本を一冊、持っている。
その表題は「普賢像」と云い、江戸の花見を題材としたものである。
(*後述の66図、参照。)

 この他、歌麿の絵本には次の数種がある。
「絵本和歌夷(*わかえびす)」(天明6年 蔦屋開板)。
(*著者・宿屋飯盛(石川雅望)編)
「絵本銀世界」(寛政2年 蔦屋開板)。
「絵本狂月坊」(寛政元年蔦屋板)。  
「絵本四季花」(寛政13年 和泉屋市兵衛開板)。

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参考

*和歌夷
元日の早朝に売られた恵比須神像を摺った
縁起物の札。
宮廷の正月・武家の正月・
猿曳(さるひき・猿廻し)
雪中の年礼・太神楽の5図が
収載されている。

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石川雅望(宿屋飯盛)
「肖像集1 石川雅望●江戸後期の浮世絵・
喜多川 歌麿

「肖像1」より
石川雅望 貞原(栗原信充・画)
(著作権満了)
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石川五老雅望
天保元年閏三月廿四日 七十八
 號 六樹園
 
・・・・・・・・・・

和歌夷(わかえびす)とは、
元日の早朝に売られた恵比須神像を摺った
縁起物の札である。
宿屋飯盛(石川雅望)が序文を
付している。

◆その1・序文・宿屋飯盛
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◆その2・宮廷の正月
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◆その3
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◆その4・武家の正月
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◆その5
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◆その6・雪中の年礼
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◆その7
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◆その8・太神楽
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◆その9
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◆その10・猿曳(さるひき・猿廻し)
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◆その11
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◆その12・後記(宿屋飯盛)
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*絵本銀世界
雪をテーマに5枚の絵を組み入れた狂歌絵本。
隅田川の西岸から東岸の景色に船人が
静かにさかのぼって行く所が描かれている。
浮世絵大系(集英社刊)によると、
宮中の雪・酒宴の雪・雪の引舟・
雪の墨堤・唐土の雪である。
江戸東京博物館、デジタルアーカイブスを
参照。

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*狂月坊
望月(*陰暦十五夜の月)をテーマに
描いた5枚の画と狂歌72首を収載している。

紀 定丸(きの さだまる)像
古今狂歌袋 より
北尾政演(山東京伝)画
宿屋飯盛(石川雅望)撰
天明7年(1787年)
(著作権満了)
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笛ならで 吹き慣らひたる嵐さへ
 遂に木の葉の 傷みとぞなる

紀 定丸の辞世の句は、
狂歌師も けふかあるかと なりにけり
 紀の定丸も さだめなき世に

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◆狂月坊・表紙
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◆その1・序文(紀 定丸)
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◆その2
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◆その3
中国、狩野派の作風の色があると
云われる。
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◆その4
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◆その5
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◆その6
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◆その7
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◆その8
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◆その9
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◆その10
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*四季花
「絵本四季花(えほん しきのはな)」二巻
喜多川歌麿・画。
寛政13年(1801年) 和泉屋市兵衛 開板。
(著作権満了)

◆四季花 上巻・表紙
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上巻では、
最初の頁に、(冬・山吹)、
最後の頁に、(春・水仙)が
あしらわれている。

◆その2
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◆その3
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◆その4
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◆その5
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◆その6
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◆その7
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◆その8
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◆その9
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◆その10
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◆四季花 下巻・表紙
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下巻では、
最初の頁(秋・菊)
最後の頁(夏・二種の花)が
あしらわれている。

◆その2
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◆その3
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◆その4
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◆その5
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◆その6
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◆その7
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◆その8
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◆その9
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◆その10
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【訳注】
「普賢像」
大本一帖 彩色摺絵本は、寛政2年 蔦屋版にかかる。
本絵本を見ると、歌麿は寛政期に入るや既に一家の独自的芸術を成立し始めたことが
明瞭である。
中でも飛鳥山の観桜の画面が、いい出来だと私は思う。
その図の左手にごちゃごちゃと沢山の女性を樹木に集め、右手にばらっと描いた男に対照された構図の意匠は我が意を得ている。
この絵本の序は、後巴人 亭光と云う人が書いている。


参考・第66図 桜見(「普賢像」)
「飛鳥山の桜」
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次回は、「ゴンクールの歌麿」を読んで観る 16・第21-23章 完 に続きます。
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